京都外国語大学・京都外国語短期大学

持てる力を生かして
セネガルの未来を支えていきたい

  • イタリア語学科卒業生
  • 安川 依希子 さん
  • 富山県 呉羽高校
  • 2021.11.12

チャンスに恵まれた学生時代

多くの外国人が訪れる京都の街で生活しながら、さまざまな国の人と交流したい。そんな気持ちで入学した京都外大は、私にさまざまなチャンスを与えてくれました。イタリア語学科で出会ったのは、個性的な友人たちと、学生の自主性を尊重してくれる先生方。「何でも好きなことに挑戦して」という先生の励ましに後押しされ、私は学業以外に留学生のサポートを行ったり、カンボジアの子どもたちに手作りの絵本を贈る活動に熱中したりと、充実した4年間を過ごしました。この時期に世界の人々と交流して学んだことは、言語は流暢さではなく、一生懸命に伝えようとする気持ちが大切だということです。

セネガルで環境啓発活動にチャレンジ

卒業後、2017年から2019年までの2年間、JICA海外青年協力隊に参加しました。派遣先はアフリカのセネガル。現地では、環境意識の啓発をテーマに、小中学校でリサイクル素材を活用したものづくりなどさまざまなイベントを企画・実施。初めは現地の人々と話がかみ合わず、苦労の連続でした。長らく先進国からの支援を当然として受け入れてきたこの国には、「外国から来た人=無条件にお金や物をくれる人」と見なす風潮があったからです。しかし、毎日の交流によって変化が生まれ、最後には「あの人はお金も物もくれないけれど、より良い生活のために役立つ知識を教えてくれる」という認識で接してくれるようになりました。2年という滞在期間はあっという間で、自分の無力さを感じながらの帰国でしたが、彼らの心に「自分たちの力で現状を変えていこう」という意識が生まれたのなら嬉しいと思います。


派遣先の小学校での授業の様子。ITや教育に関する仕事をしているので、今度は仕事としてアフリカやセネガルに戻りたいです

今までの経験で無駄なことは何もない

私には、これでセネガルとの縁を終わりにしたくないという思いがあります。何らかの専門性を身につけ、これからもアフリカに貢献したいのです。そこで帰国後は、現地で強く求められているIT知識を身につけようと決意しました。子どもの頃から数学や論理的思考が苦手だったので、ITの勉強は正直に言うと大変です。しかしその反面、自分にはまだまだ伸び代があると考えるのは、楽しいこと。少しずつ、着実に新しいことを習得していると感じられるようになりました。現在は、社員が全員JICA協力隊の経験者というユニークなIT系企業に就職して、講師業に従事しています。もしかすると今が生涯で一番勉強をしている時期かもしれません。
考えてみれば、学生時代の経験も、JICA海外協力隊での日々も、成長につながらなかったものは一つもありません。あの日、精一杯がんばったから、今日もがんばろうと思えるのです。人には無限の可能性があります。後輩の皆さんも、その芽をつぶさないように大切に育て、何にでも全力で挑戦してほしいと願っています。


お世話になった滞在先のファミリー。プライベートでもアフリカや世界とずっと繋がっていきたいと思っているので、これからが楽しみ!

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