京都外国語大学・京都外国語短期大学

諦めかけた考古学への夢
つないだのは“発信力”

  • 大学院 博士後期課程3年次生 言語文化領域
  • 植村 まどか さん
  • 外国語学部 スペイン語学科出身
  • 2018.02.05

運命を変えた先生との出会い

小さい頃はとにかく恐竜が大好き。化石発掘を夢見る子どもでした。高校では世界史に目覚め、古代マヤ文明の虜になりました。大学では考古学を学ぶしかない!と意気込んだものの、完全文系の私に「理系は無理」。考古学を諦め、2番目にやりたかった語学を学ぶため京都外大スペイン語学科に入学しました。大学時代はイベロアメリカ研究会に所属。外大祭で1メートル四方のマヤのピラミッドを作ったこともあります。

「実はマヤ文明が大好きです」。2年次からの学芸員課程で出会った南先生(※)に話したことがきっかけで、京都文化博物館のオルメカ展の手伝いや、国内の発掘現場を紹介してもらうなど、考古学に関わるチャンスが舞い込み始めました。

可能性を秘めた「文明の空白地帯」

ペルーへの派遣留学やメキシコへの卒論資料集めの旅を通して「中南米の考古学をもっと深めたい」という思いが芽生え、大学院進学を決意。自身の研究テーマを模索していた頃、南先生の新しい調査地開拓に同行し、はじめてニカラグアへ行きました。ニカラグアやコスタリカ近辺は、メキシコを中心に興った古代メソアメリカ文明とペルーを中心に栄えた南アメリカの古代アンデス文明に挟まれ、文明の空白地帯と呼ばれています。そんな事前知識を持って臨んだニカラグア調査で、「メタテ」と出会いました。

石でできた平らなすり鉢で、マノという石棒を使って穀物などをすりつぶす道具です。メキシコやペルーでは日用品として使われていますが、ニカラグアの博物館で見たメタテは装飾が施されていたり、動物など特徴的な形をしていました。「なんだこれは?」。文明の空白地帯と呼ばれているけれど、本当にそうなのか。不思議さに魅了された私は、メタテを通じてこの地域の文化・生活を明らかにするため、現在も研究を進めています。2013年からは、ニカラグアの大学やマティグアス市と連携し、南先生とニカラグアで立ち上げた「プロジェクト・マティグアス」に参加。考古学漬けの日々を送っています。

やらない後悔より、やった後の反省を

夢を叶える秘訣は、自分から夢を発信することだと思います。私が今考古学に携われているのも、南先生へ夢を話したことがきっかけ。大学には果てしない可能性が広がっていて、応援してくれる人が必ず現れます。モットーは「やらない後悔より、やった後の反省」。後悔したくないから、これからもずっと考古学研究を続けていきたい。もし、私のように考古学に興味のある後輩が現れたら、今度は私がまとめて面倒を見たいと思います!

 

(※)南 博史教授
国際文化資料館館長、グローバル観光学科教授。専門分野は考古学、博物館学(ミュージアム・スタディ)。

 

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