世界から集まる、
知性の宝庫
オックスフォードへ進学
- イギリス・オックスフォード大学大学院
- 阿武(あんの) 美希 さん
- 英米語学科 2017年度卒業
毎日200ページ、膨大なリーディング
オックスフォード大学は、英語圏で世界最古の大学です。これまで多くのノーベル賞受賞者や世界的に著名な政治家、オリンピックメダリストなどを輩出しています。
私は2017年9月に渡英して、現在オックスフォード大学大学院にて社会学の勉強をしています。オックスフォード大学はカレッジ制で、各カレッジに寮、食堂、図書館、研究所等があり、私はセント・アントニーズ・カレッジに所属しています。
大学での授業は、講義より「セミナー」と呼ばれるディスカッション形式の授業が多く、世界中から集まったさまざまなバックグラウンドを持つ学生たちと、世界最先端の研究を行っている教授で、毎週ディスカッションをします。
学生たちは、事前に決められたトピックについてリーディングをしてディスカッションに備えますが、1週間に読むリーディングの量は、全ての授業を合わせて約1000~1500ページ。1日に換算して200ページ余りと、たいへんな量です!
朝から夜中まで、白熱ディスカッション
イギリスの教育文化において、オックスフォード大学で求められるものは、批判的思考能力と論理的思考、そして何よりも「学びへの熱意」ではないでしょうか。
大学の授業や論文の課題では、分析や証拠に戻づく意見を求められるのはもちろんですが、日常生活でも常に疑問を持ち、考え、調べて、ディスカッションをします。
食堂でランチやディナーを食べている時、パブでお酒を飲んでいる時、部屋でくつろいでいる時でも、学生同士で社会問題や政治についてディスカッションをします。授業よりもむしろ普段の生活の中で、アカデミックなディスカッションをしている時間が長いのです。ある時、友人とディスカッションが始まり、気づいたら朝の3時を過ぎていたこともありました。
オックスフォード大学の学生たちに共通して言えることは、どの学生も自分の専攻分野の勉強に対し熱意を持っていることです。平日も休日も、朝から晩まで図書館にいることがあり、それが当たり前のこと。自身の研究分野について話し出したら止まらない学生がたくさんいます。学内の図書館は、100程あるのですから!
学生たちは自身の研究分野でないことにも興味を持ち、常にアンテナを張って、他の学問についても知識を広げようと、好奇心旺盛で意欲的なのです。ですから、他の学問を学ぶ学生の研究についてもよく話を聞いて、またそこでディスカッションが始まります。
英国の英知が息づく学生生活
オックスフォード大学での生活は大変そうに聞こえますが、勉強ばかりではありません。ネットワークワーキングを重要としている学生が多いため、頻繁に交流会イベントやフォーマルディナー、ボールと呼ばれるダンスパーティーが開催されます。
映画ハリーポッターで実際に撮影現場として使われた食堂でも、毎日のようにフォーマルディナーが開催されます。
私はオックスフォード・ユニオンに所属し、そこで開催される講演会に参加しています。オックスフォード・ユニオンとは、世界で最も権威のあるディベート協会で、著名なゲストスピーカーを世界中から招待して講演会を開催している学生団体です。
政治家、俳優、ジャーナリスト、コメディアン、大企業のCEO、国の元首相や大統領などがゲストスピーカーとして講演します。講演会はとても刺激的です。
私の目標は、修士論文を学会で発表し、大学院卒業後はさらに成長できる環境で働いて、社会に貢献することです。勉強を続けたいので、また大学院に行くかもしれません。目標を達成するために、残りの大学院生活も充実させながら努力していきます。
皇太子妃殿下やアダム・スミスが通っていたカレッジ「Balliol college」。私はフォーマルディナーに参加したことがあります