4つの国境を越えて
- スイス・チューリヒ大学へ留学
- ドイツ語学科 3年次生
- 佐々木 順蓮 さん
- 兵庫県 相生高校出身
あえて方言に挑戦
僕がドイツ語を選んだ理由は、英語以外の強みがほしかったから。言語というツールをいくつも持っていることは、強みになると考えました。スイスは「スイスドイツ語」といって、ドイツ語の方言が話されています。次第に方言に興味を持ち始めて、あえて挑戦してみようと思い、半年間チューリヒ大学へ留学しました。
もうひとつこの大学を選んだ理由は、宗教学でも有名な大学であること。祖父の家はお寺で、僕は日本の宗教について少し知識があります。さまざまな宗教を違った視点で勉強してみたいと思いました。
チューリヒでの生活
スイスドイツ語は思っていた以上にクセがあり、ドイツ語とはまるで別の言語かと思うほど違っていました。例えてみるなら、関西弁と沖縄の方言が話しても通じないようなイメージでしょうか。同じ国内でもフランス寄りなのかドイツ寄りなのかで町ごとに方言が違い、なかなか通じないのです。
宗教学は、仏教の授業を受講。いろんな国の学生が仏教を学び、彼らの知識は深く、日本人よりも詳しいのではないか?と思います。また捉え方がさまざまで、哲学的に捉えている人もいることに驚きました。日本では、仏教に対して同じようなイメージを持っていると思いますが、あらためて世界の多様性を感じました。
スイスは物価が高いので、買い物は1時間ほど北へ行ったドイツの小さな町に行きます。さらに、西へ行けばフランス、南はイタリア、東はオーストリア。国境を越えて4つの国へ旅をしました。それぞれの国には、京都外大の友人たちが留学していたり、帰国した留学生別科の友人たちがいたので、連絡を取って彼らの家に泊めてもらいました。
チューリヒ大学は、工科大や芸術大の学生も同じ寮生です。専攻が違う東大や東工大など理系の学生や、音楽留学をしている学生と話す機会があり勉強になりました。世界中から集まった学生がひとつの寮で生活しているので、キッチンでは僕が和食をつくる隣で中華やメキシコ料理をつくる学生、トルティーヤを焼いている学生など、さほど広くない台所は多国籍料理のクッキングで賑わっていました。
弁論大会にチャレンジ
今年はドイツ語弁論大会にチャレンジしたいです。テーマは、仏教について。日本の若者の仏教離れやこれからの予測と願いについてなど、ドイツ語でスピーチしてみたいと思います。
将来の目標を明確にするためにも、今回の留学は人生の中で大きなターニングポイントになると覚悟して旅立ちました。治安が良く落ち着いた街並みのスイスで生活してみると、いつか住んでみたいと夢を抱くようになり、そのためにはどんな仕事があるのか考え始めました。ワールドカップの試合を留学生たちと観戦したとき、みんなで気持ちをひとつにして応援しました。その体験からスポーツは世界共通、喜びを分かち合える力があると気付きました。そして、JOC日本オリンピック組織委員会やIOC国際オリンピック委員会に関わってみたいと、目指す方向が見えてきました。
IOC本部はローザンヌにあります。ローザンヌはスイスでもフランス寄りなので、フランス語圏です。今度はフランス語を勉強しないといけないですね!語学力を生かして世界中の人と関わっていく仕事をしてみたい、思う存分やりたいことを実行してみたいです。