日本とメキシコの架け橋に
- 京都メキシコ友好プログラム(2018年4月~2019年3月予定)
- オノデラ モンタニョ・シズエ さん
- メキシコ出身
皆さんの応援に感謝
私は、父が日本人で母がメキシコ人の日系4世です。名前は長いのですが、「シズエ」と呼んでください。「京都メキシコ友好プログラム」の4期生として1年間留学に来ました。このプログラムは、日系メキシコ人の子孫が留学生別科に入学できる支援です。
奨学金認定授与式では、森田嘉一理事長・総長から「実りあるものをメキシコに持ち帰り、日本のことをメキシコに伝えてほしい」と励ましのお言葉をいただきました。奨学金の基金となる寄附を賜わった株式会社ナベルの 南部邦男社長からは「ようこそ、あなたのルーツであります日本へ。たくさん学んでください」と激励され、緊張しましたがこのような機会を与えて下さったことを心から感謝しています。
遠く離れた故郷へ
日本人の祖父母の影響もあり、小さな頃から日本へ行くことが夢でした。まだ見ぬ故郷の風景や生活習慣はどんなものなのか、とても興味がありました。祖父母と父はメキシコに生まれ、祖父母は大人になるまで日本に行くことはできませんでした。父は一度も日本を訪れたことがありません。でも彼らはいつも日本の価値観や文化、考え方などを私に伝えてくれます。祖母が「桜が美しい」と言っていました。私も京都に来て、桜をみることができて美しさに感動しました。川でお花見をする習慣にも驚き、自転車で京都の街を周って文化や風習を散策するのが日課になっています。
メキシコにいる日系人は、日本語を話せる人が半分ぐらいになってしまいました。帰国後は、私が日本語をみんなに教えてあげて家族や友人、日系の仲間たちが日本語を話せるようになれたらいいな、と思っています。
メキシコの日系コミュニティは大きくて結束力があります。私はメキシコの日系青年団体Organización de Jóvenes Nikkei(OJN)のメンバーです。仲間といつもいろんなところへ遊びに行ったり、助け合ったりしています。OJNのメンバーは日本語を話す人もいるので、日本人の学生の皆さんがメキシコに行くときは、ぜひOJNに連絡くださいね。
日本の美とテクノロジー、メキシコに伝えたい
メキシコの大学では、建築学を専攻していました。京都は、歴史的な街並みと近代的な建物が融合していて、きれいな街です。京都外大の4号館のデザインはとても斬新ですね。メキシコの建築家では、幾何学的なモダニズムとカラフルな色彩取り入れたLUIS BARRAGÁNさんが好きです。日本人では、安藤忠雄さんの建築が素晴らしいと思います。
京都外大で日本語を学びメキシコへ戻ったら、大学院で建築学の修士号を取りたいと思っています。そして、再び日本に留学できる機会があれば、日本の大学院で建築技術を学びたいです。日本の建築のテクノロジーは、本当にすごいと思います。将来は、日本で刺激を受けた建築とメキシコの文化を融合させたデザインで、耐震技術にも優れた建物を祖国に建てることが夢です。
2つの国のルーツに誇りを持ち、両国の架け橋となって日系人社会に貢献できるようになりたいと思っています。