京都外国語大学・京都外国語短期大学

ユーモアと感動を
もって言語を
学んでください

  • 外国語学部 ドイツ語学科
  • ハイケ・ピナウ-サトウ 准教授
  • 2023.02.27

ドイツ語と日本語を比較研究

私が最初に日本語に惹かれたきっかけは「文字」でした。漢字・ひらがな・カタカナと実に多種類の文字が使われることを面白いと感じ、言語学の立場から『今昔物語』の分析などを行うようになりました。日本語の研究を続けるうちに、私の母語であるドイツ語にも改めて興味が湧き、さらにドイツ語、日本語を教えることへと関心が向かいました。特に取り組んでいるのは「記憶術」。語学学習において、どうすれば学習内容が効果的に定着するかについて研究しています。
また、最近では「エコ言語学」に関心があります。自然および社会的環境の変化が言語の変化に影響を与えているという発想から、環境が変わると言葉がどう変わるかをドイツ語と日本語を比較しながら考察しています。今、コロナ禍の中で新しい言葉がどんどん生まれているのも実に興味深い点です。

学生のドイツ語との出会いはさまざま

ドイツのライプツィヒ大学で日本語を教えた後、縁あって日本でドイツ語を教えることになりました。京都外大の学生にドイツ文化を知る科目などを、大学院ではコミュニケーションに関する科目を教えています。学生はさまざまな理由があってドイツ語を学んでいるようで、バッハやベートーベンなどクラシック音楽が好きな人がいれば、サッカー観戦の好きな人も。これはドイツで活躍する日本人選手が増えた影響かと思います。他にはドイツの歴史や哲学、料理など。皆さんの興味がいろいろな方向に広がっていることが面白いですね。

ダジャレや歌も交えた授業

授業で大切にしているのは、学生の個性を重視すること。一つの教授法にこだわらず、どうすれば学生がドイツ語を学習しやすいかを検討し、いろいろな教え方を工夫しています。例としては、語彙を増やすために語呂合わせやダジャレで覚えるという方法ですね。
ドイツ語でハムは”Schinken”(シンケン)ですが、ここで「真剣にハムを食べる」というダジャレを伝える。すると強く印象に残ります。学生が楽しく学んでいる時は、彼らが特に声に出していなくても、ちゃんと分かりますね。もっと勉強したいという気持ちが伝わってきます。
教室ではユーモアを忘れないようにしています。コントや歌など、常に面白いことを取り入れながら授業を進めます。時には、ぬいぐるみなどのモノを持ってくることも。実際に感じてみたり、何かに感動したりすることで、記憶がグッと定着しやすくなる。言葉を覚えるために大切なのは、情熱と感動なのです。

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