京都外国語大学・京都外国語短期大学

真夏のイリノイで得たのは
海外でも働けるという自信

  • 国際貢献学部 グローバルスタディーズ学科 2年次生
  • 大槻 陽菜 さん
  • 京都府 京都外大西高校出身
  • 2024.11.07

海外で働く、という夢のスタートラインに立てた喜び。

 出身は京都府亀岡市。京都外大西高校から、国際貢献学部グローバルスタディーズ学科に進み、現在は2年次生です。私が京都外国語大学を選んだのは、将来は海外で働きたいという夢があったから。きっかけは子どものころから家族と共に何度も海外を訪れた経験から、日本より海外の方が多様で自由な働き方や生き方が選べる環境があり、自分にはそちらの方が合っていると感じたことでした。だからこそ、将来はマーケティングやトレード関係の業界でグローバルに活躍できたらなという夢を描いている私にとって、ただ語学を学ぶだけではなく、ビジネスに使える専門用語などについても実践的に学べるグローバルスタディーズ学科の存在は、まさにピッタリだと思いました。
 入学後、1年次ではSDGsをベースに環境問題や飢餓問題、経済学などについて幅広く学び、2年次からは特に興味のあったグローバルビジネスコースを選択し、企業戦略やマネジメントといった専門分野について学んでいます。また2年次のライティングのクラスでは、研究論文をアカデミックに書くための技術についても学ぶことができます。何よりグローバルスタディーズ学科の先生のほとんどが外国人でネイティブ・スピーカーというのも、私にとっては大きな魅力のひとつでした。

この夏、南イリノイ大学で行われた地域連携プログラムへ。

 海外で仕事をするという夢を持つ私にとって、この夏、大学の地域連携プログラムを通じて、アメリカ・イリノイ州の南イリノイ大学での活動に参加できたことは、またとない機会になりました。南イリノイ大学があるのはシカゴから電車で南に6時間ほど行ったカーボンデールという小さな街。アメリカの他の州からはもちろん世界中の国々から学生が集まる大学の街です。日本からも私たち京都外国語大学の学生と同時期に、千葉や徳島の大学からそれぞれ5人ずつが留学で来ていて、私たちと同じ寮に滞在していました。

 私が参加したプログラムは、現地で活動するいくつかのNPOなどの団体にボランティアとして働きながら、それぞれの活動や現地の人々との交流などを通じて、生きた英語や異文化を学んでいくというもの。期間は3週間で、最初の2週間の間にいろいろな団体を回り、その中から自分がもう一度じっくり取り組んでみたいと思う団体をひとつ選んで、最後の1週間をそこで過ごします。

コミュニケーションは感情を交わすことだと学んだ3週間。

 とりわけ印象深かったのは、ホームレスの人たちも多く働いているHerrin House of Hopeというレストランでの活動。そこでは近所の人やホームレスの方々に毎日無料で食事を提供しているのですが、私たちは日本食を提供するプログラムを実施しました。出国前からメニューの案を出し合って、日本らしいものとしておにぎりとお味噌汁、それから照り焼きチキンを作ることにしました。キッチン担当、ドリンク担当、サーブ担当などそれぞれの役割を決め、私は人と直接関わりたかったのでサーブ係を担当しました。おにぎりの評判がすごく良くて「これがニッポンのOnigiriか!」とか「日本食を初めて食べて感激した!」と皆さんに喜んでいただけました。

 活動以外の時間も充実していました。たとえば寮で仲良くなった友だちと日曜日の礼拝に参加させてもらうことができたことは、とてもインプレッシブな経験でした。しかもいわゆる賛美歌の流れる厳かな礼拝ではなく、ドラムやベース、ギターに合わせてみんなでゴスペルを歌うというハッピーなもので、30カ国以上の国の人たちがそれぞれの国の言葉で歌ったり、踊ったりしていて、とても楽しかったです。ひとり日本人の方がセンターでギターの弾き語りをしていてとてもかっこよく、その方が所属されている団体のメンバーの家にお招きいただくなど、現地のコミュニティーの人たちと深くお付き合いさせてもらうことができました。今でもその人たちとは連絡を取り合っていて、来年は日本に来るらしいのでみんなで会おうと話しています。
 また、アンバサダーホールで開かれたキャンプファイアに参加したときのこと。オフィスの人が弾き語りをしていて「誰かほかにギターを弾く人はいない?」と言われたので、私が手をあげて日本の歌をみんなで歌いました。日本ではどちらかといえば引っ込み思案なところがあった私が、こんなにも積極的に振る舞うことができることに自分自身で驚きました。外国のコミュニティーに思い切って飛び込んだことで、自分の感情や意見をきちんと表現しよう、という積極性が自然に身に付いていったのだと思います。

英語が話せると世界中の人と関われる、と改めて学んだ。

 これはあくまで私個人の感想なのですが、他の日本の大学から来ていた学生たちと比べて、京都外国語大学の学生はみんな積極的だと感じました。教会の礼拝に参加したり、少人数でマーケットへ出かけたり、ギターを弾いて歌ったり、コミュニティーの深いところまで入っていって現地の友だちをつくったり。京都外国語大学の学生は自由奔放に、現地コミュニティーに溶け込んで、みんな楽しんでいました。
 日本人ってどこか初対面の人と話すのが苦手で、かつての私にもそういう面がありました。でもアメリカの人たちは、みんな最初からすごくフレンドリーで、そのパワーに導かれるようにこちらも自然にオープンマインドになれるところがあったのだと思います。自分を変えるには、まず環境を変えることも大事なのかもしれません。
 今はネットでいつでもどこにいても世界中の情報に触れることができる時代。でもやっぱり、実際に現地に行ってそのコミュニティーに関わって、そこで暮らす人と話すことの大切さは、どれだけ世の中が便利になっても変わらないと、今回の体験を通じて改めて私は思いました。

たくさんのチャンスが、私の積極性に翼を与えてくれた。

 私にはずっと大切にしているモットーがあります。それは「自分が好きなことだったり、積極的にやりたいとまでは思わないことだったりしても、心にちょっとでも気になったり引っかかることがあったりしたら、とにかくトライしてみる」ということ。それは小さな子どものころからずっと心がけてきました。頭でなんとなく分かったつもりになって、実際には分かってないままに見過ごすということがすごくキライな子だったんです。食べず嫌いをしないとかもそうですし、たとえば数学の難しい計算問題や文章問題などは自分の理解がクリアになるまで先生に質問します。そういう日常の中の小さなアクションの積み重ねが、今回の活動時の積極性につながっているんだろうなと思います。
 私にとって京都外国語大学は、一言でいえば「チャンスの多い大学」。今回私が参加したプログラムについても、現地で実際に働いたり、コミュニティーに入っていってコミュニケーションを深めたりできたことは、同じ海外でも観光旅行で行くのとはまったく違い、英語で生活を体験することで、より実践的で生きた英語を学ぶ機会になりました。また学内にも各国からの留学生も多く、外国人の先生もたくさんいらっしゃるし、何よりさっきも言ったように積極的でチャレンジ精神のある学生が集まっています。迷っている背中をやさしく押してくれて、モチベーションを上げてくれる。そういったチャレンジしやすい環境が用意されていることが、私の積極性をさらに大きく羽ばたかせてくれていることを日々感じています。

※掲載内容は取材当時のものです

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