京都外国語大学・京都外国語短期大学

国際NGO活動での経験が転機。
世界の国々で国際協力の道へ。

  • UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)所属
  • 外国語学部 英米語学科 2004年度卒業
  • 角谷 亮 さん
  • 兵庫県 鈴蘭台高校出身 ※現:神戸鈴蘭台高校
  • 2025.07.11

ヨルダンで人道支援の活動に従事

 UNRWAはパレスチナ難民支援のために創設された国連機関の1つで、行政機関のような役割を果たしています。私は、ヨルダンのUNRWA現地事務所のプログラム・サポート部署に所属し、教育部や保健部、社会保障部などにおける計画や活動を管理しています。難民支援は国際政治に左右される面が多分にあり、もどかしい思いをすることも多々ありますが、難民の方が日々の暮らしを安心して送れるように、教育、保健支援などの支援の一端を担っていることにやりがいを感じています。
 日本でも報道されている通り、パレスチナ自治区・ガザ地区、そしてヨルダン川西岸地区が昨今、イスラエルから大規模軍事攻撃を受けています。ヨルダン国内には、ガザ地区出身の方やガザ地区に親戚のいるヨルダン人も多く、連日メディアでは凄惨な映像が流れてきます。そのため、特に子どものメンタルヘルスへの影響が懸念されています。ここ数年、UNRWAが運営する学校にスクールカウンセラーを増員し、対応にあたっています。これは、日本政府からの支援で可能になったもので、その事業管理にも携わっています。先日、学校主催のサマー・キャンプに参加しましたが、子どもたちが楽しくリクリエーション活動に参加している姿を見て、とてもうれしかったです。

卒業後、ナイジェリアを皮切りに世界各地へ

 大学卒業後から現在に至るまで、さまざまな国で支援に携わってきました。京都外大在学中は海外派遣員に憧れ、在外公館派遣員試験を受験し、無事に合格。卒業後はナイジェリアの日本国大使館に入職し、外交における「縁の下の力持ち」となれるよう奔走しました。
 フィリピンの大使館でも勤めた後、国際協力の現場に近い仕事に携わりたいと思い、日本のNGO団体に所属しました。10年間の間にタジキスタン、南スーダンを経て、東京本部でも障がい者や避難民の方を支援しました。一時休職して大学院で学ぶ中、より大きな規模で国際協力に携わりたいと考え、国連ボランティア派遣のためのプログラムに挑戦。そこからご縁をいただいて、現在所属するUNRWAへ。最初はレバノンで活動し、ヨルダンに異動して6年になります。こうして振り返ってみると、目の前のことにがむしゃらに取り組んできた経験の一つひとつが、今につながっている気がしています。

始まりは、在学中の国際NGOのサークル活動

 自身の経歴の原点になっているのは、学生時代に所属していたサークル活動です。世界70カ国以上で安全な住まい提供の支援を行う国際NGO「Habitat for Humanity」に、日本の学生支部として京都外大も加盟しており、そのサークルに所属。途上国などの住まいに関する勉強会を重ね、毎年タイに赴いて住居を建設する手伝いやそのための募金活動を行っていました。国際ボランティアの経験を通して、実際に現場を知ったうえで支援のあり方を考える重要性を学びました。サークルの顧問だった恩師からはいつも刺激をいただき、自分にとってよき理解者でもあったことにとても感謝しています。
 また、大学3年次には約1年間アメリカで交換留学を経験。現地で英語力が足りないことを痛感し、必死で勉強したことを覚えています。卒業後すぐに海外勤務ができたのは、こうした学びがあったからこそ。今後もこれまでの経験を糧にしながら、国際協力の道を突き進んでいきます。

※掲載内容は取材当時のものです

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