フィールドワークで得た広い視点を
地元のまちづくりに生かしたい
- 那智勝浦町役場
- 国際貢献学部 グローバル観光学科 2021年度卒業
- 岡本 夏奈 さん
- 和歌山県 新宮高校出身
世界遺産を誇るまちで育ち、観光に興味
和歌山県南東部に広がる熊野は、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の登録地が点在する地域。私の出身地・新宮市と、「那智の滝」で知られる那智勝浦町も、このエリア内にあります。現在、私は那智勝浦町役場に勤務しており、観光企画課の職員として、南紀熊野ジオパークやボランティアガイドなど観光に関わる業務のほか、商店街の活性化など商工の分野も担当しています。
私が観光に関心を持ったのは高校生のときです。地元で観光に携わる人の情熱に触れたことや、外国人観光客に英語で道を尋ねられて答えられず悔しかった経験が、観光や英語について学びたいと考えるきっかけに。そこで、日本を代表する観光地の京都で学べる京都外大を選びました。
現場で実践的に学び、観光の仕事を深く理解
グローバル観光学科の魅力は、現場に出て学ぶフィールドワークが多いことだと思います。特に印象的だったのが、地域社会と関わりながらまちの課題を探究し、解決策を探るという2年次の時に参加した実践的な学びの場。活動地は京丹後市で、市役所や観光公社の方にまちの課題をヒアリングしたり、実際に京丹後をとても丁寧に案内していただいたりする中で、まちの魅力発信に携わる職員の方の仕事を理解しました。また、地域に確実に貢献できる職業として、公務員への関心が高まるきっかけにもなりました。
さらに、3年次からコロナ禍のため、実家でオンライン授業を受けたことも、地元の役に立ちたいという意識につながりました。というのも、2年間の京都生活から地元に戻ったことで、地元を見る目が変わったからです。豊かで美しい自然など、以前は見過ごしていた魅力に改めて気付き、自分の愛するこの地を守りたいと強く思うように。そのためには多くの人にまちの魅力を伝えなくてはと、現在の仕事を志願する動機になりました。
一方、パンフレットや映像の重要性に気づかされた「観光メディア概論」は今の仕事に直結する大切な授業です。実際に観光地・嵐山のPR動画を作成したときは、日本らしさ・京都らしさを感じさせるカットなどを考えながら、各スポットを撮影・編集。観光地を魅力的に伝える情報の切り取り方などが身に付きました。
地元の若者が魅力を感じるまちに
また、観光の先進都市・京都で、多言語の案内看板などを確かめたフィールドワークも、今の仕事に生きていると実感。インバウンドが目立つ那智勝浦でも多言語の看板の必要性に着目するなど、大学で体験したことが広い視野で地域の課題をとらえる力になっています。
この仕事で喜びを感じる場面のひとつは、各地で行われる観光PRイベントで来訪者と会話し、那智勝浦に興味を持っていただいたとき。こちらからの説明の後、「今度、旅行に行くね」と宿泊サイトまで確かめてくださる姿を見ると、大きなやりがいを感じます。また、大学で磨いた英語力が生かせているのもうれしいです。
地元では高校卒業後に県外に出て、そのまま就職する人も多いですが、今後も積極的に地元の魅力を広く伝え、若者がまた戻ってきたくなるような、来訪したことがない人はぜひ訪れてみたくなるような、そんなまちづくりを進めるのが私の目標。大学での学びを生かしながら、観光を軸に地域の魅力を高めていきたいです。
※掲載内容は取材当時のものです