京都外国語大学・京都外国語短期大学

発音から、
音楽の未来を変える。

  • ポルトガル語発音コンサルタント・対照音声学研究家・俳優
  • 外国語学部 ブラジルポルトガル語学科 2009年度卒業
  • 加々美 マリアンジェラ 愛 さん
  • 東京都 文教大学附属高校出身
  • 2025.11.01

「職業:私」

「職業は?」と問われた時、私は「職業:私」と答えています。ポルトガル語の先生のほか、俳優のスキルを生かしたYouTuber、ポルトガル語文法や音声学の知識を駆使して歌うライブ活動、ポルトガル語やブラジル関連の本の出版など、自分の好きなこと・得意なことを生かして活動を行っています。父はサンバを奏でるミュージシャン、母は日系ブラジル人という家庭環境に育ち、子どもの頃はポルトガル語を喋っていました。生まれた時からポルトガル語漬けだった環境、両親から譲り受けた才能をベースとし、幼少期から培ってきた知識や技術、経験を共有することは、私の人生そのものをもって捧げられるものだと思います。私と同じことをしている人は恐らく日本にはいないと思うので、私が前に出て見本になることで、ミュージシャンたちを刺激したいです。

革命を起こしたい

「言語学」と「音楽」は切っても切り離せない関係にあります。そして、ブラジル音楽をするなら、ポルトガル語の発音が非常に大事になってきます。発音はいつの時代も後回しにされてしまいがちですが、音楽においては、言語が絶対に先行します。言語が先にあるから、その音楽のグルーヴやリズムが生まれてくるのです。私自身、サンバやボサノバが一番輝けるのは、ポルトガル語とマッチした時だと考えています。だから、ブラジル音楽をやるためには、ポルトガル語の発音をしっかりやらないといけない。残念ながら日本では、ポルトガル語を勉強している人が少ないというのが現状です。その人たちに向けて、どうやって訴えていくか、どうやって話を聞いてもらうか。「日本におけるポルトガル語とブラジル音楽の発展」のために、YouTubeや書籍などで広くポルトガル語の【秘訣】を発信し続け、自分自身が歌うことで「言語学と音楽の関連性」を証明していく必要があると考えています。

言語がもたらす恩恵は「話せること」だけじゃない

学生の皆さんには、今の時間を大切にしてほしいと思います。私自身、今までの人生の中で一番輝いていたのは大学時代だったと思うし、すごく貴重な時間で、一生使えるものを吸収できたと感じています。実際に、留学や授業を通して得た知識は、先生としての仕事や歌の発音・歌い方、歌詞の理解、さらには俳優としての日本語表現にも生かされています。また、京都外国語大学のブラジルポルトガル語学科には、日本で唯一発音の本を出版されている先生がおられ、語学だけではなく、その背景にある文化や歴史などを同時に学べる環境が整っています。外国語大学出身だと、一般的には「話せるだけ」と認識されてしまうことが多いかもしれません。ですが私たちは、「言語を通して世界の平和を」を建学の精神にしている大学で4年間も勉強しています。「話せる」以上の力を身に付けられる大学で得られるものは、想像以上だと思います。皆さんも、私のように「職業:私」と言えるような天職に出会えることを願っています。

※掲載内容は取材当時のものです

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