京都外国語大学・京都外国語短期大学

国・民族の違いを超えて
大切なものを得た

  • JICA企画調査員(ボランティア事業) 
  • 松岡 瑠理子 さん
  • 英米語学科 2002年度卒業
  • 2018.07.11

今年1月から、ミクロネシア連邦でJICA(国際協力機構)ボランティア事業の総括ボランティア調整員を務めています。13人のボランティアが気持ち良く活動できるように、生活面や活動面での相談に乗り、アドバイスをしたり、現地受入団体との調整を行うのが仕事です。いわばボランティアコーディネーターです。赤道近くのミクロネシア連邦は多くの島々からなっており、それぞれの島が離れています。そのため、首都のあるポンペイから離れた島への出張は飛行機移動です。青い太平洋上をまさに飛び回っています。

私自身が青年海外協力隊を志した一番の動機は、大学の卒業旅行で行ったカンボジアとベトナムで出会った光景でした。障がいのある子どもたちが楽しそうに暮らしている姿を見て、すごく逞しくて頼もしいなと思ったことです。「幸せってなんだろう。自分もこういうところに住んで感じてみたい」。

卒業後、青年海外協力隊の試験に合格し、南米のボリビア多民族国へ派遣されました。子どもたちと一緒に学校菜園や町の緑地化、公衆トイレを作るなどのプロジェクトを行い、楽しく過ごしていましたが、ふと思ったのが「別に私でなくてもよかったのではないのか」。気落ちしていると、ホームステイ先のおばあちゃんが「ルリが来てくれたおかげで町が明るくなった」と言ってくれました。本当に救われました。その後、ふるさとの山梨でJICAデスクを務め、再びドミニカ共和国、コスタリカへと行き、今度は、ボランティアをサポートするボランティア調整員として活動を続けました。

これまで多くの人と出会ったことで、自分の物の見方が多面化し、国や民族間の違いを越えた、人間として大切なものを得ることができたように思います。

ボリビアをはじめ、これまで仕事をしてきたのはすべてスペイン語圏です。実は第二外国語がスペイン語で、学生時代は英語以上に勉強しました。大学では帰国子女が多かったので「英語ではかなわないな、それならスペイン語で勝負」といったノリでしょうか。高校三年生の時、進路に悩んでい時に京都外国語大学の記事を読み、少人数制の授業を行っていることを知り、じっくり勉強できると思い興味が湧きました。。オープンキャンパスに参加したところ、授業がとても面白かったので進学先に決め実際、大学は自由ですごく面白くて楽しかったです。建学の精神「言語を通して世界の平和を」は、そんな充実した大学生活の中で育まれ、今の仕事に生きていることを実感しています。

最後に後輩のみなさんに一言。「今日より若い日は来ない。未来を楽しみに、今、自分がやりたいと思ったことに全力で取り組んでほしいと思います。私も、自分の将来がどうなるかわかりませんが、今までそうやって生きてきたことで、今が充実していると実感しています」。

2017年8月、通信教育でアメリカ・マサチューセッツ州立大学のMBA(経営学修士)を取得しました

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