自己との挑戦
弁論大会に挑む
- 2017年度スペイン語 弁論大会3位入賞
- スペイン語学科4年次生
- 岡田 佳奈美 さん
- 大阪府 桜塚高校出身
テストでは得られない達成感
スペイン語弁論大会に出場しようと思ったのは、優勝者副賞が「スペイン往復航空券」と聞いたからです。「再びスペインに留学したい、目指すは優勝!」と意気込んで挑みましたが、3位入賞。10カ月間の留学から帰国して間もなくのことで、本番まで2カ月弱、構想を練る時間が少なかったことが残念でした。
大会後、私は勝者の原稿を読み、なぜ自分が優勝できなかったのかをよく理解することができました。理由は2つ。
①自分の伝えたいことが、ひとつの軸になっていなかった
②人に語り掛けることを意識して、原稿をつくっていなかった
5分間の短いスピーチは、自分の一番言いたいことに重点を置いて、端的に話さなければインパクトを与えられません。そして、弁論大会の原稿は、「読む」ためではなく、「語る」ためにあります。いかに注目を集めて人に聞いてもらえるかを考えて、語りかけるように原稿を書くことがポイントでした。普段の授業やテストではあまり経験しないテクニックです。
準備に余念なく、繰り返しの鍛錬
次回の大会に向けては、構想段階に時間をかけて、自分しか語れないテーマになっているか、軸がぶれてないかを丁寧に吟味して、原稿づくりから先生に相談したいと思います。
弁論大会の練習は、スピーキング力、スピーチ力、プレゼン力などあらゆる技能が集約されています。抑揚やジェスチャーなど、審査員が興味を持ってくれるような表現力に磨きをかけることも大切です。早い段階から先生の指導を受けながら、練習を重ねていく必要があります。ネイティブ教員に時間を取って頂けるように、積極的、計画的にアポイントを取るようにしなければいけません。ネイティブ教員との練習の多さが、確実に優勝へと導くカギとなります。
大勢の前でスピーチすることは恥ずかしいかもしれません。私も本番は、緊張で膝が震えました。何度も挫けそうになりましたが、弁論大会の参加意義は、学外の人に自分の語学力を客観的に見てもらうことで、自分の語学力に何が不足しているか気付けることだと思います。ひとつ上の言語スキル獲得に、弁論大会はおすすめです。
世界を見て、世界を知る
入賞のスピーチ内容は、スペインとコロンビアの留学時に気が付いた、サービスの違いについて題材にしました。留学は、語学力UPだけでなく、人生観を変える出来事に出会えます。スペインやコロンビアでは、身体障害者の方を頻繁に見かけます。安定した職がなくても、音楽や大道芸をすることでお金を稼ぎます。語学学校でも生まれつき4本指の生徒もいましたが、「4本指のマークで新しいブランドを立ち上げるんだ」と、いつも明るく語ってくれました。私は、留学を通して、人と違っていることは当たり前であり、恥じることはないことを学びました。
また、何人ものスペイン人が手を貸してくれて、“buen viaje”(いい旅を)と快く声をかけてくれました。見返りを求めず困っている人には積極的に手助けをする、これらの出来事は海外に出なければ見つけることができなかったことで、語学以上のものを得ることができました。世界を知ることは、弁論大会の原動力になります。皆さんも積極的に世界を見て、弁論大会にチャレンジしてみてください。