京都外国語大学・京都外国語短期大学

人間同士の生きたコミュニケーションを大切にしてください

  • 外国語学部 英米語学科
  • アイシュワリヤ・ スガンディ 准教授
  • 2024.01.23

西洋と日本はインドを通じてつながっている

 日本の「ユニークさ」に興味を持って探るうちに、日本のキリスト教の歴史について調べるようになりました。今は、16世紀ごろに日本を訪れたイエズス会の宣教師が、書物の中で日本を西洋にどう伝えたか、日本文化をどう理解したかなど、彼らの「異文化理解の姿勢」を研究しています。
 歴史上、ポルトガル人のアジア交易やキリスト教布教の拠点はインドのゴアにありました。当時日本を訪れた宣教師のフランシスコ・ザビエルの遺体がゴアに眠るという事実からも、西洋と日本はインドを通じてつながっていると感じます。私のルーツであるインドが、東西交流に一役買っていたということはうれしく思います。現代はグローバル時代と言われますが、天正遣欧少年使節がローマを訪れ、宣教師が来日した安土桃山時代も、グローバル化が進んだ時代。移動する人々を通じて、人やモノ、情報が動いたのです。

学生がアプローチしやすい存在でありたい

 論文を書く際には「誰が読んでも分かるものを書きなさい」という恩師の言葉を大切にしています。専門性だけに集中しすぎると分かりにくくなると指摘される中、私は事実を踏まえ、出典を明らかにした客観性のあるものを書くようにしています。
 ゼミ生たちを指導する時も、この方針は変わりません。彼らは実にいろいろなテーマで卒論に取り組んでいます。キリシタン大名についてまとめる人もいれば、国歌とアイデンティティーなどをテーマとする人もいます。私はそんな学生たちにとって「アプローチしやすい」先生でありたいと思います。どんな意見や質問も受け入れられる、相談しやすい先生でありたい。そうなるために努力していることは、学生と1対1で話せる時間を確保すること。何よりもまず、話しやすい場をつくろうと心がけています。

言語のスイッチを切り替える

 英語に限らず、外国語を学ぶ学生には、まずその言語自体を愛してほしいですね。パッションを持って学べば、その言語が身についていきます。おすすめの勉強法は、週に2日でもいいから「学んでいる言語で生きてみること」。例えば、朝起きたらIn my bed、顔を洗いながらWash my faceと考えてみるのです。日本語のスイッチをオフにし、外国語のスイッチをオンにします。すると、どう表現すればいいか分からないことがたくさんあることに気づき、もっと学びたくなる。この習慣を続けていけば、きっと上達します。
 最後に、学生たちに今伝えたいことは「AIに相談しないで、人間に相談しよう」ということ。AIは一見いい答えを返してくるかもしれませんが、時間が経っても輝きを失わないのは、生きている人間からの答えです。コミュニケーションとは、生きている人と話すこと。ぜひ人とコミュニケーションを取る機会を増やしてください。

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