一冊の絵本にのせて、
カンボジアへ届ける思い
- 2026年度ピカ☆イチProject採択団体「Picture Books for Cambodian Children」代表
- 外国語学部 英米語学科 2年次生
- 中江 唯乃 さん
- 滋賀県 県立八幡高校 出身
京都の街に惹かれて、英語を学ぶ道へ
滋賀県で育った私は、昔から京都の伝統ある街並みや雰囲気が好きで、よく足を運んでいました。街を歩けば、日本語だけでなく、世界中から訪れた人々のさまざまな言葉が聞こえてきます。そんな国際色豊かな環境に惹かれ、「ここで英語を学びたい」と思ったことが、京都外大を志望するきっかけになりました。
中でも決め手となったのは、少人数で学べる環境です。入学前は、京都外大には英語が得意な学生ばかりが集まるイメージがありました。しかし実際には、同じように悩みながら学ぶ仲間もいれば、高い英語力を持つ学生から刺激を受けることもあります。
外国語大学と聞くと少しハードルが高く感じるかもしれませんが、今は英語に自信がなくても、仲間と支え合いながら着実に力を伸ばせる環境だと感じています。
絵本と思いを届ける、P.C.C.の活動
P.C.C.は「Picture Books for Cambodian Children」の略称で、自分たちで制作した絵本をカンボジアの子どもたちに届けるサークルです。カンボジアには歴史的な背景などから、現在も十分な教育環境が整っていない地域があります。そうした状況を少しでも改善したいという思いから活動が始まり、現在は国内の子どもたちにも、言葉や物語に触れる機会を届けています。
絵本は、ストーリー作りから挿絵まで、すべてメンバーで役割を分担して制作します。ごみ問題や食品ロスなど、身近な社会課題を題材にすることが多く、小学生にも内容が伝わるよう、短く分かりやすい文章を心がけています。
私は1年次生の後半から代表を務めています。就任当時はメンバーが少なく廃部寸前の状態だったため、運営を続けられるか大きな不安がありました。そこで、Instagramでの情報発信やサークル紹介文の作成に力を入れた結果、現在は約20人が所属しています。SNSでの発信を続ける中で、誰にも見てもらえていないのではないかと弱気になることもありましたが、思いに共感してくれる人がいると実感し、大きな喜びと自信につながりました。
今は、先輩方が受け継いできたP.C.C.をさらにより良いサークルにするため、メンバーと協力しながら活動しています。

現在制作している新作絵本の現場です。メンバーはストーリーを考えたり、ポスカやカラーペンを使って原画を描いたり、担当に分かれて1冊の絵本を仕上げます。
カンボジアの今を知り、活動を次の一歩へ
2026年度の「ピカ☆イチProject」に採択されたことを受け、今後は年2回の絵本制作と読み聞かせ、カンボジアへのスタディツアーを予定しています。春学期には国内の子どもたちに届ける絵本を、秋学期にはカンボジアの子どもたちに向けた絵本を制作し、春休みには現地を訪れる計画です。
これまでP.C.C.は、カンボジアの子どもたちに絵本を届け、識字率の向上に貢献することを軸に活動してきました。一方で私は、以前より読み書きができる人が増え、現地が抱える課題も変化しているのではないかと感じています。スタディツアーでは、現地の暮らしや文化に触れ、いま何が必要とされているのかを自分の目で確かめたいです。そこで得た学びを国内での活動を通して伝え、P.C.C.がカンボジアと日本の橋渡し役にもなれたらと思っています。
P.C.C.の魅力は、国際協力だけでなく、国内での読み聞かせなど、身近なボランティアにも取り組めることです。活動の目的やかかわり方が異なる人も、それぞれの思いを持って参加できます。私自身、京都外大で学んだ多様な文化や価値観への理解を生かし、メンバーそれぞれの声に耳を傾けながら活動を進め、将来も多様性を尊重して社会に貢献していきたいです。

これまで作成した絵本たち。今年度も思いを込めて作品を作り、カンボジアの子どもたちへ届けてきます!
※掲載内容は取材当時のものです
2018年、TVで放送したP.C.C.のドキュメンタリー番組「Picture books for Cambodian Children ~大学生が絵本づくりで国際貢献~」



