京都外国語大学・京都外国語短期大学

イタリア留学でゴミ拾い
「ナポリで何か残したる」

  • イタリア・ナポリ東洋大学へ留学
  • イタリア語学科2年次生
  • 長尾 岳仁 さん
  • 岐阜県 飛騨高山高校出身
  • 2019.02.14

留学で、何をするか

イタリアへの留学はこれで2回目です。1回目は高校2年生の時に10ヶ月間、ミラノに留学しました。京都外大では、高校生の時に一度も訪れたことがなかった、イタリア南部の提携校・ナポリ東洋大学を選びました。ナポリ東洋大学への派遣留学が決まって以降、語学力を伸ばすだけでなく、将来に繋げるために、何かできることはないかと考えました。はじめは「日本の文化を、ナポリをはじめイタリアに広めたい」と考えていましたが、他にも誰かがやっていそうな内容だったので、「ナポリで何か残す」という目標を立てました。大きな目標の方が、留学期間も楽しくなりそうだという思いを胸に旅立ちました。

 

ゴミ散乱、街の景観を目にして決意

ナポリに着いてまず確認したかったことは、ゴミが道に落ちていないかどうかということ。というのも、ミラノ留学中にタバコの吸い殻があまりにも多い街の様子に衝撃を受けたからです。ナポリではどうだろうか。街に出てみると、僕の予想はドンピシャ。想像通り、街にはゴミが散乱していました。「ゴミ拾いができる」。ゴミ拾いという活動は、イタリアではマイナーなのかもしれません。誰もしていないからまずやってみようと思い、ナポリに住む日本人の先輩に相談すると大賛成。ナポリ到着後、数日でゴミ拾いを始めました。周囲から奇異な目で見られ、恥ずかしかったです。本当に僕が初めてゴミ拾いをした日本人で、物珍しさもあったようです。しかし、話しかけに来てくれた方が何人もいたおかげで、今では積極的に活動ができます。活動を本格化させ、仲間を募って「pescatori di sogni(ペスカトーリ ディ ソニ)」というグループを立ち上げました。

街ではタバコの吸い殻などのゴミが散乱し、日本との違いに驚かされます

 

活動を通じて街の人々との交流も

小さなきっかけから広がる出会い

ゴミ拾いの噂がナポリ中に広まると、新聞やラジオ、テレビなどで数えきれないほど活動が紹介されました。さらに、日本食レストランや、ナポリ国立考古学博物館から招待を受けました。2019年1月1日にはPuglia(プーリア)州のニュース番組にも出演し、Molfetta(モルフェッタ)市の市長さんと一緒にゴミ拾い活動をする様子が放送されました。メディアからの取材や、街の人々との会話が増えたことがきっかけで、イタリア語もメキメキと上達するのを実感しました。残念ながら、活動を始めて半年たった今も街の景観は改善された様子はなく、「ナポリで何か残す」目標は達成できていません。帰国してからも一生続くような人物との出会い、かけがえのない経験を手に入れることができると信じて、ゴミ拾いは続けたいと思っています。

モルフェッタ市の市長さん(赤いマフラーの男性)と記念に撮影

 

PAGE TOP
What's KUFS