スタートラインは、
いつでもどこにでもある
- 外国語学部 イタリア語学科 3年次生
- 山田 昭 さん
- 早稲田大学 出身
定年後、もう一度「学生」になるという挑戦
定年退職後、脳の老化防止と学び直しを目的に、京都外大への入学を決意しました。読書やトレーニングは続けていましたが、外からの刺激や試験の緊張感といったものが日常から失われているように感じていて。大学に再入学し学び直すことで、老化の進行を遅らせられるのではないかと考えました。
入学を決めたのは、あっという間でした。妻の仕事や以前お世話になった方のご縁もあって、2年前の年末にふと京都外大のキャンパスへ足を運びました。その時、8号館に刻まれたラテン語の言葉「PAX MUNDI PER LINGUAS(言語を通して世界の平和を)」が目に入ったんです。その建学の精神に惹かれました。また以前から興味のあったイタリア語の学科があり、専任の先生が6名もいらっしゃることも魅力的でした。
冬休み中でしたが、職員の方に案内していただきました。「受験生はお子さんですか?お孫さんですか?」と聞かれて「私です」と答えると驚かれましたね。そこで社会人入学という選択肢を丁寧に教えてくださいましたが、社会人入試はその時点ですでに終了しており、一般入試を選択しました。年明けに妻に相談してみたところ、「やってみたら?」と背中を押してもらって。それから数十年ぶりに猛勉強して受験に挑み、無事合格。今日に至っています。
学ぶ楽しさに、年齢は関係ない
印象に残っているのは、英語の授業での多読の学びです。難しい本を辞書を引きながら読むのではなく、易しいものから辞書を使わずに読み、内容を捉えることが大切だと教わった時は、まさに目から鱗でした。この手法はイタリア語の学習にも生き、絵本を読む中で基本的な生活や文化、ネイティブならではの表現を吸収することができました。
そしてこの春、短期留学プログラムFirst-Step Abroad Program(FAP)で3週間のイタリア語学研修に参加。人生初の留学では、若い学生たちとアパートで自炊をしながら共に学びました。研修先には世界各国から学生が集まり、私に近い年齢の方もいて、異なる文化や背景を持つ人たちと学ぶ時間は何物にも代えがたいものでした。
この歳になっても、やろうと思えばできる。若者たちと共に学び抜いたことで、自分でも気付いていなかった自信を得ることができました。人生最後の留学になるかもしれませんが、忘れられない経験になりました。
外国語の先にある、新しい世界
現役世代の受験生には、進路を選ぶ際、人生全体を設計するのは難しくても、2年後・4年後のマイルストーンをある程度意識した上で大学・学部を選んでほしいと思います。そして何より、自分の好きなことは何かを考えてほしい。大学は高校までと違い、自分で選択して学ぶ場所です。みんなが行くから行くのではなく、自分の夢を実現するための登竜門として選んでいただきたいです。
日本は学ぶ意欲のある人に優しい国。大学は私のようなシルバー層にも門戸を開いています。昔学んだことを学び直すのも、全く新しいことに挑戦するのも、どちらも素晴らしい選択です。新しいことへの挑戦が老化を防ぎ、若者たちの中で揉まれることで何年も若返ったような気持ちになれます。「スタートラインはいつでもどこにでもある」という気持ちで、まずやってみることが大切です。
自分を磨き続けることは、いくつになっても楽しいものです。
※掲載内容は取材当時のものです



