京都外国語大学・京都外国語短期大学

転機を力に変えて、
好きなことを仕事に

  • Tout ca株式会社 勤務
  • 外国語学部 フランス語学科 2004年度卒業
  • 西口 久美子 さん
  • 奈良県 一条高校 出身
  • 2026.08.24

自分らしく働くために、植物療法の道へ

40代に入り、体調の変化をきっかけに、これからの働き方を考えるようになりました。無理なく自分のペースで続けられ、興味のあることを通して社会にも貢献できる仕事として選んだのが、現在のハーブの仕事です。
植物療法に興味を持ったきっかけは、会社員時代に通っていたヨガ教室でアロマの香りに出会ったことでした。働きながらアロマテラピーを学び、資格も取得しました。その後、学生時代から関心を持っていたフランス菓子を学ぶために、フランスへ留学。現地で、植物療法を意味する「フィトテラピー」が暮らしの中に根付いていることを知りました。薬局やスーパーでは、ハーブティーや植物由来の商品が身近に並んでおり、私自身も日常生活に取り入れるようになりました。
現在は、フランスのハーブ薬局から直輸入したオーガニックハーブを使い、体調や好みに合わせたブレンドハーブの販売、単品の量り売り、同業者への卸販売を行っています。また、植物療法を身近に感じてもらうための講座やワークショップも開催しています。

「体に良い」だけで終わらせない、ハーブティーを

お店を始めて3年が経ち、現在は日頃から健康を意識する人が増え、植物療法に関心を持ってくださる方や、ご来店くださるお客様も少しずつ増えてきました。その広がりを実感できることが、仕事の大きなやりがいです。
お客様の輪や植物療法への関心が広がる中で、私自身の仕事への向き合い方にも変化がありました。当初は、植物療法の観点からハーブが持つ魅力を伝えることを重視していましたが、実際にお店を続ける中で、どれほど体に良いとされるものでも、おいしくなければ飲み続けてもらえないと感じるようになりました。そこで、パティシエとして培った味覚やブレンドの経験を生かし、「おいしいから飲み続けていたら、結果的に健康にもつながっていた」と思ってもらえるハーブティーを目指しています。
これまでの人生では、失恋をきっかけにフランス留学を決めたり、体調の変化を機にパティシエを辞めたりと、一見するとネガティブな出来事が転機になってきました。しかし、そのたびに新しい道へ進み、ネガティブな経験を前向きな力に変えることで、一歩ずつ進んでこられたと感じています。
今後は、フランス産のハーブに加え、鮮度や香りに優れた日本の薬草や野草も取り入れたいです。将来は、日本の薬草を海外へ届けるとともに、ハーブティーがコーヒーや紅茶のように身近な選択肢となる環境をつくりたいと考えています。さらに、体にやさしく、おいしい飲み物や食事を提供するカフェを開くことも目標です。

世界に出て気付いた、日本の良さと自分らしさ

海外に出ると、日本にいるだけでは気付かなかった自国の良さや課題が見えてきます。私も外国への憧れから外国語を学び、フランスで暮らしたことで、日本を客観的に捉えられるようになりました。それは偏った愛国心ではなく、さまざまな価値観に触れ、広い視野で物事を考えられるようになったからこその気付きです。
異文化交流とは、国という大きな枠ではなく、一人の人間として相手を知ることだと思います。知らないことを理解しようとしない姿勢は、対立を生む要因になり得ます。しかし、相手が自分の友人であれば、その背景や思いを想像し、向き合い方も変わるはずです。小さな交流の積み重ねが、互いを尊重し合う社会や平和につながると信じています。
フランスには「自由・平等・友愛」の精神があり、多様な人や文化を受け入れる懐の深さがあります。芸術や言語に触れることは、人生を豊かにしてくれます。京都外大も、学習環境や学生への支援が充実し、先生方の熱意と温かさを感じられる大学です。ぜひ外国語を学び、広い世界に触れることで、自分自身や日本を新たな視点から見つめてほしいです。

※掲載内容は取材当時のものです

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