すべては、成長のため
- 英米語学科 3年次生
- 岡村 友希 さん
- 大阪府出身
きっかけは映画
「この映画、おもろいから観てみ」
1年次の夏休み、兄から薦められた、1本の映画。
ごく普通の医学生が、カンボジアの貧しい地域に小学校を建てるために仲間を募り、資金集めに奮闘。困難を乗り越え、小学校建設を実現するストーリーでした。
「これだ!」
その頃、やりたいことが見つからなかった僕は、彼らの熱意に感動。自分も同じように人のために役立ちたいと思い、貧困地域に家を建てる京都外大の国際ボランティアサークル「Kyoto Gaidai Habitat」(以下ハビタット)に参加しました。
住宅建築に参加するには、一人につき費用20万円が必要です。
両親に相談したところ、
「なんでお金払って、人の家を建てなあかんの?」
と、猛反対。
両親の質問に、はっきりと答えられなかった僕は、
「それなら、自分で稼ぐわ!」
と、ホテルの客室清掃アルバイトを始め、1年かけて貯金。2016年12月、他大学のボランティアサークルとチームを組み、総勢16人で準備を進めました。僕は京都外大のリーダーとしてリスクマネジメントや滞在中のルール作りを担当。2度の合同合宿を経て、2017年2月に目的地フィリピン・ミンドロ島へ出発しました。
過酷な作業
島では1日目から重労働が待っていました。
外壁の土台作りでは、地面が硬くてシャベルが入りません。土と格闘すること丸2日間。軍手が破れて手にマメができるほど、掘り続けました。
その後、ブロックを積み上げセメントで固めていきます。ここまで来ると、村の子どもたちと遊んだり、村長との懇談や小学校訪問など、地域住民と交流を行う余裕もできました。
特に印象に残ったのは、子どもたちの笑顔。貧しい生活状況を少しも感じさせない笑顔の子どもたちと遊んだり、話をして過ごす時間は、とても充実したひとときでした。
初めての海外ボランティアは、外壁の建設途中で終了。次に訪れるチームが作業を引き継ぎます。最後の夜に開いてもらったパーティーでは、「京炎そでふれ!」*を披露。お世話になった住民の皆さんと盛り上がりました。
3月3日に無事帰国。39℃の高熱で寝込んでしまうほどの疲労と、やりとげた充実感で、しばらくはぼんやりしていましたね。
「自分のために」
ハビタットに参加したのも、映画の主人公のようになりたかっただけなのかもしれません。しかし家を造る僕たちをうれしそうに見つめる子どもたちの姿に、心からやりがいを感じることができました。
仲間との協力や現地の人たちとの交流を通して、他者への理解が深まったと思います。
今なら猛反対した両親に自信を持って答えられます。「自分のため」だって。
これからも、僕はハビタットの活動を続けます。
そして世界中を渡り歩き、さまざまな文化を見て回りたい。
特に貧困地域を訪ねて住民と話し、何を感じ生活しているか耳を傾けたい。
そこから貧困の根源を理解し、解決への答えを見つけようと思います。
*京炎そでふれ!
毎年10月に行われる「京都学生祭典」で誕生したオリジナル創作おどり。