”本当にやりたいこと”が
人生を変える

高校生の頃、私の頭の中には陸上競技のことしかありませんでしたが、春休み中に行ったイギリス旅行で、異文化に触れる喜びを知りました。

それが私の人生観を変え、「本当にやりたいこと」を見つけるきっかけになりました。京都外大を志望した時の英語の偏差値は30台で、外国語大学をめざすのは無謀な挑戦でしたが、予備校に通いながら成績を伸ばし、なんとか入学。人生を変えるつもりで頑張ろうと決意し、難関のロンドン大学への留学を目標にしました。授業外でも先生に勉強を見ていただき、積極的に外国人留学生と会話するなど、京都外大の充実した環境をフルに活用。起きている間はずっと勉強していた時期もありました。その結果、留学経験なしでTOEFL 96点・TOEIC 970点を取得。派遣留学選考試験にも合格し、念願の留学生活がスタートしました。

しかし、ロンドンで私を待っていたのは挫折の日々でした。国際的な経済格差の是正・貧困解消等を学ぶため開発学を専攻したのですが、授業内の討論についていけず、全く発言できないこともありました。知識豊富なクラスメートでも、人生をかけたような勢いで勉強しており、「カメよりも勤勉なウサギがいる」と驚いたことを覚えています。そこから猛勉強し、討論でもポイントを絞って発言するなど自分なりの貢献の仕方を考え、クラスメートに必死に食らいついていったことで、次第に周囲に認めてもらえたように思います。英語が全くできなかった自分が授業でよい成績を修めたときは感慨深かったです。その後も大学院で学びを深めたいという気持ちから、世界最高峰の研究機関のひとつであるユニバーシティ・カレッジ・ロンドンに進学し、環境学の修士号を取得しました。

現在は三井物産株式会社で、米国産天然ガスを非資源国へと輸出する1兆円規模のプロジェクトに携わっています。私は天然ガス液化プラント建設の進捗・予算管理などを担当しており、世界のエネルギーの安定供給に貢献する仕事にやりがいを感じています。

大切なのは、自分が選んだ道を正解にするため、どんなに困難でも諦めずに努力し続けること。今後も、学生時代から貫いてきたこの信念が変わることはありません。(2017年3月)