京都外国語大学・京都外国語短期大学

グローバルにローカルに、自然・環境を考えるきっかけづくりをめざして

  • 教養教育等
  • 畑田 彩 准教授
  • 2021.10.13

新潟県の雪の里が生活の拠点

数年前から新潟県十日町市に住み、仕事のかたわら畑で野菜を作ったり子どもと遊んだりしながら、週に一度京都に来るという生活をしています。十日町は自然が豊か。日本で一番雪が降る土地でもあります。限界集落での暮らしは、都会にいては想像できない大変さもありますが、早春、道の両側にそびえ立つ雪の壁を眺めていると、どんなストレスも忘れてしまいます。

環境問題は国際問題

今年度の授業では、オンラインで基礎ゼミの講義部分を動画配信しているほか、「生活と環境」「グローバル環境論」などの科目を担当しています。 「生活と環境」では日本の自然環境を紹介していて、「キャンパス内にも50種類ぐらいの植物が生えている」など、身近な話題から話すようにしています。
「グローバル環境論」では地球温暖化、ゴミ問題、リサイクル、水、食糧といった普遍的問題を取り上げています。いつも授業で言っているのは「環境問題は国際問題」ということです。自然環境は理系の人が考えることという捉え方をされがちですが、そうではなく、政治や経済、文化すべてに関わる問題。コミュニケーション能力の高い京都外大生の皆さんが環境について知ることは、大切だと思います。
学生が書いたレポートを読むと、私が普段意識していない角度からの意見もあって興味深いですね。例えば外来種への対応をどうするかという問題に対して「駆除するのではなく、外来種だけのエリアを作っては?」という回答があり、意表を突かれました。

周囲の小さな自然を見てほしい

子どもの頃、よく父が山登りや川遊びに連れて行ってくれたことが鮮烈に記憶に残っています。笹舟を作って流したり、メダカを観察したりしていました。今も十日町で、自然の中をよく散策します。地元の生態系をどう守っていくかを、これからもずっと考え続けていくことでしょう。
今の学生には「カエルを見たことがない」「畔って何?」という人も少なくありません。生まれた時から都会で暮らし、夏休み、冬休みといった特別な機会に田舎の山や海で遊んだ経験もないという人が増えてきています。自然から遠い環境で育ってきた学生の皆さんからは、さまざまな生き物と人の関わりを語る私はまるで異星人のように見えるかもしれないですね。しかし、そんな私という存在にちょっと関心をもってくれ、ひいてはそれが自然に興味を持つきっかけになればと願っています。(2021年7月)

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