京都外国語大学・京都外国語短期大学

「まあるい春」夢見て
フォト月刊誌作り続ける

  • 「DAYS JAPAN」編集長
  • 丸井 春 さん
  • 英米語学科 2005年度卒業
  • 2018.04.10

本を作りたい思いでDAYSへ

もともと本が好きで本を作る仕事に就きたいと思っていたので、卒業後は新聞社、編集プロダクション、出版社などで仕事をしました。現在編集長を務める「DAYS JAPAN」(発行元:株式会社デイズ・ジャパン<本社:東京都世田谷区>)は、硬派で知られるフォトジャーナリズム月刊誌。社会問題に興味があったので働けたらいいなと思い、2013年4月にボランティアで関わり始め、8月に正式入社しました。

入社したDAYSでは、編集長の広河隆一氏(フォトジャーナリスト)引退の話があり、後任を公募していることを知りました。国籍、年齢、職歴などは関係なく、「DAYS JAPAN」のロゴ、ページも変えていいから、1冊を作って提出することが採用条件。編集長がやめるなら、半年でもその下で仕事ができたら、という気持ちで、公募に手を挙げるつもりはありませんでした。

DAYSを変えたくない!

DAYSを作り続けるうち、DAYSが何を大事にしているか、ぶれないものが見えてきました。「知らない人が編集長になるのはいやだ」。手を挙げても、私が編集長になるとは限らない。けれど「編集方針を守る! 変えてはいけない、変えてはならない」との思いが燃え、締切1週間前に応募しました。

提出した1冊 は60ページ。第一特集は「もし、学校で秘密保護法が施行されたら」。閣議決定の前で、いいタイミングでした。第2の特集は「中東(アフガン)の虐待、暴力の問題」。児童労働や人身売買などを扱いました。 動物が好きなので、海辺に捨てられたウサギが、いつも来る写真家に拾われる心温まる話も加えました。10作品の応募があり、1次審査は定期購読者の投票。残った4作品が2次審査にかけられ、 ジャーナリストや大学教授、協賛者などの審査員と面接を行いました。

2014年1月のある日。校了日で忙しいとき「編集長決定」の知らせが飛び込んできました。「やばい。どうしようかな」と焦りました。でもまだ半年以上、編集長がいる。何とかなると思い、腹を据えました。

編集長としての第1号は2014年10月号。特集は「慰安婦問題」。元慰安婦を取材し続けている写真家が撮った東ティモールやインドネシアの12人の顔と声を掲載しました。80~90歳の元慰安婦の強さ、怒り、悲しみをたたえた目が表紙となり、強い訴求力を持った号だったと思います。編集長30号となった2017年3月号(通算157号)は「中東 増え続ける死者と難民 戦下の市民」「『トランプ時代』を生きるための提言」などを特集しました。

ペンネームに込めた平和への思い

DAYSには創刊以来、一貫して表紙に掲げてきた言葉があります。「1枚の写真が国家を動かすこともある」「人々の意志が戦争を止める日が必ず来る」です。フォトジャーナリズムを標榜するDAYSは写真が命。常に被害者、弱者の姿をきちんと捉え、伝える力が強い写真を選ぶように学びました。ただ、遺体や流血の写真をどこまで載せるかは悩ましいところ。難しいけれど、大国、巨大な権力など圧倒的な力で被害を受けている場合はちゅうちょなく載せると決めています。

実は「丸井春」はペンネームなんです。本名は「横須賀文」。入社の時「ペンネームOK」だったので、「まあるい春」をイメージしてつけました。人の生き死にのトピックを扱うから、幸せな名前にしたかった。そんな季節が来るまで、ずっとDAYSを出し続けたいと思っています。

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